
ハイパースペクトルカメラの説明でよく使っています。
ハイパースペクトルカメラを開発した当時は、機能を説明する際によく造花と植物を撮影していました。
よく使われていた理由としては、赤外領域において植物は強い反射を示す特徴があり、造花と植物をはっきりと分けることができるためです。
今回は、造花と植物のハイパースペクトルデータのご紹介です。

撮影機種 | HSC1702 |
撮影対象 | 植物と造花 |
撮影場所 | 屋内 |
遠目から見ると、造花と植物は違いがわかりません。しかしながら、ハイパースペクトルデータから観察すると大きく異なっていることがわかります。造花と植物のハイパースペクトルグラフは以下のようになります。

グラフから700nm以降において大きくグラフの状態が異なっていることがわかります。これは、植物がこの波長域の光を反射するという特徴を示しています。
そこで、650nmと750nmのスペクトルデータのみを画像化したものが次に示す画像です。
画像を見ると一目瞭然で、生きている植物のみがわかりやすくなりました。
また、さらにわかりやすくするための画像解析を行いました。これは、光合成活性能力2つの波長域を使って行う正規化植生指数(NDVI)という解析手法です。農業リモートセンシングにおいては、生育状況を数値化するために用いられていますが、今回は、植物との識別を行うために用いました。

NDVI解析結果から、植物のみが表示されました。
NDVIは、本来生育状況等など植物の状態を見ることに使われていますが、使い方よってはこのような使い方もできます。
いつも使っている手法でも、見方を変えれば違う応用も可能であることを示しています。